当院では、小児期における近視の進行抑制を目的とした点眼治療を行っております。

1.近視の説明と治療の目的

 近視とは、眼の中に入った光のピントが合う位置が、網膜より前になっている状態のことをいいます。近視のほとんどは眼球が前後に伸びることで起こります。また眼球は身体が成長する時期に伸びることが多く、低年齢の頃に速く伸びる可能性があります。
 小児の近視は増加しており、小学生の約4割、高校生の約7割が裸眼視力1.0未満と報告されております。その背景には、外遊び時間の減少や、近くを見る作業の増加などライフスタイルの変化が関与していると考えられています。
 近視は進行すると、大人になってから緑内障や網膜剥離などの目の病気になる可能性が高くなると言われています。 近視進行抑制治療の目的は、小児期にできるだけ近視が強くなるのを避けることで、将来の見え方を守り、目の病気になる可能性を低下させることです。

2.点眼薬による近視進行抑制治療について

  • リジュセア®ミニ点眼液0.025%を1日1回就寝前に点眼します。
  • この点眼薬は低濃度のアトロピン硫酸塩水和物を含有し、眼球の前後の長さが伸びるのを抑えることで、小児の近視進行を抑制る効果が確認されています。
  • 低濃度にすることで副作用を抑えており、防腐剤が入らない1回使い切りタイプのため安全性が高いです。
  • 副作用は羞明(まぶしく感じる)、霧視(かすんで見える)などが報告されていますが、就寝前に点眼することによって、日中は問題にならない場合がほとんどです。

出典:参天製薬:グローバルサイト

リジュセア®ミニ点眼液0.025% プレスリリース

3.治療を受ける際の注意点

  • 本治療は、近視の進行を抑制するものであり、進行が完全に止まるわけではありません。
  • 本治療は、近視を改善するものではないため、近視の程度に応じて眼鏡等での視力矯正が必要になる可能性があります。
  • 治療期間中および中止後は、定期的に眼科を受診して、近視の進行状況を確認する検査を受けてください。
  • 近視抑制治療は予防であることから、自費診療となります。
  • 近視抑制治療が始まりますと、近視に関わる医療行為(眼鏡処方、学校検診の視力検査など)は、全て自費診療となります。
  • 近視抑制治療は、保険診療と同日に行うことができません。
  • リジュセア®ミニ点眼液0.025%により、副作用が起こった場合、副作用に係る治療費につきましても自費診療となります。

4.診察の流れ

5.費用

診察、検査費用
2,970円(税込)
点眼薬費用(30本1ヶ月分 
4,380円(税込)